普段は名前を呼んでくれることさえないのに

何があって

今、こんな状況になっているのか……






‐ 特別な冬の日






冷静にならなけけばいけないと思うのに

驚きと

焦りと

困惑で

思考回路はメチャクチャで


「あ…あの……十代目?」

「ん〜何?」

オレの呼び掛けに応える声は

いつもよりもずっと近くて

「何してるんですか?」

「獄寺君に抱きついてる」

「………」

それは、わかります。

聞いてるのはそうじゃなくて。

普段のあなたからは考えられないようなこの行動は何があったからなのか。

それが知りたいのに……



「獄寺君…温かい」



明確な答えをくれないまま

あなたはオレの膝の上に座り

腕を背中に回して

頭を肩のあたりに寄せ

へにゃりと表情を崩して、満足そうにしている。

その様子が、

まるで猫が懐いてきているみたいで微笑ましいのだけれど

(一体何が?!)

確かに外は雪が降りそうなほど寒くて

オレの家に駆け込んできたあなたの身体はとても冷たいけれど

だからといってこの行動に説明がつくわけでもなくて

わからないから混乱する一方で……



どういう態度でいればいいのかと悩んでいると

クスクスと小さな笑い声が聞こえてきて

微笑しながらあなたは顔を上げる。

「獄寺君の家に来る間にね、大通りを通ったんだ」

「……大通り…ですか?」

「そ。そしたら抱き合ってる人たちがたくさんいて」

「………」

「ちょっと、羨ましくって……さ」

外、寒かったし…と言い訳のような言葉と一緒にまた少し、擦り寄ってくる。

オレの家に来るまでに通る大通りといったら、大きなツリーが飾られたこの時期のデートスポットになっているらしい通りしか思い浮かばなくて。

そこで抱き合ってる人たちと言ったらそれはもう、カップルに間違いなくて。

「獄寺君がスキンシップ好きじゃないの知ってるけど今日くらいいいでしょ?」

極近い位置、

上目遣いで見られたら

駄目だなんて言えるわけがなくて。

イタリアでは家族と過ごすクリスマスを、日本では恋人同士で過ごすのだとついこの前教えてもらったばかりで……

そぅっと行き場に困っていた腕で、オレに抱きついている華奢な身体を閉じ込めてみる。

「…獄寺君?」

「オレがいつ、嫌いだなんて言いました?」

誤解しないでください。

スキンシップが嫌いなんじゃないんです。

触れたくないわけがないんです。

あなたの身体にも

髪にも

指先にも

唇にも

本当は……


「離せなくなるってわかってるから触れないんですよ」


本当はいつだって

あなたの温かさに、触りたくて仕方ないのに。





「今日はいいよ?」

身体が温まってきて気が大きくなっているからなのか

今日が特別だからなのか

腕は首に移動して、

笑う声は耳元。

その行動と答えはあまりにも以外で。

少し身体を引いて

あなたの顔を覗き込めば

心持ち赤くなっているのがわかったから


「……今日だけですか?」








珍しく甘えてくるあなたに便乗して

オレも甘えてみていいですか?















別にクリスマスじゃなくてもいいんじゃないか? とか
思われる内容ですが、一応クリスマス話ということで
(目を瞑ってやってください)
珍しくツナが獄寺のこと好きって前面に出してる話になりました。
………慣れないことはするもんじゃねぇな…(グッタリ)




+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

流輝さんとこのクリスマスフリーいっただいちゃいました〜vvv

うっわ獄ツナラブラブですやんぎゃわー!!(どたばた)
こ、このっ、バ、バカップルめ・・・!(赤面)
珍しく押せ押せのツナにヘタレつつもカッコいい攻めの獄!
素敵ーー!!
いやぁ美味しいフリーをゲットしたもんです良くやった自分!

流輝さん本当にありがとうございましたv


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